保険屋さんの「全損攻撃」にあう

 7月の末に義母が赤信号で停車中に営業レディの運転する軽自動車に追突されました。運転していた営業レディは赤信号で停車している義母の車の後に速度を落としてゆっくり接近し、ブレーキをかけて停車寸前に助手席の上に広げていた化粧品のサンプルを手に取ろうとしたそうです。そのままブレーキをかけ続けていると義母の車の後で停車する「はず」だったそうです。

ところが思ったよりブレーキが甘かったのか義母の車に軽く追突。このまま停まってしまえば良かったのですが、あわてた営業レディはブレーキをかけようとして、誤ってアクセルをベタ踏み。

そしてもう一度義母の車に今度は勢いよく追突。グリコの「一粒で二度おいしい」ではなく「一回で二回やっちゃった」追突事故となりました。

 実は、私もこの様な停車のやり方をする場合があるので、これからは厳に戒めようと思っています。皆様も注意して下さい。又、オートマ車を運転している方はくれぐれもブレーキとアクセルの踏み間違いに注意しましょう。

 追突された義母の愛車。
修理した方が「世のため、環境のため」と思うのであるが。

 事故の連絡を受けて現場に急行。(と言っても高島屋のバーゲン初日で大変な停滞)えらい遅れて現場に到着すると事故の検分も終わっていました。

 運転していた女性の方や駆けつけた上司の方は大変恐縮されて謝られていました。停車していた車への追突ですから100%加害者側の責任と言うことになります。

 事故の状況から義母の体の方は大丈夫そうなので翌日病院で精密に検査を受ける事にして、とりあえず車をかかりつけの板金屋さんに搬送。修理費を見立ててもらう。

 修理費は21万円と算出されましたが板金やさん曰く「年式が古いので「全損扱い」になって修理代全額は出ないでしょう」との事。「こうなるとぶつけられ損ですね」と気の毒そうな顔で言われてしまった。

 せっかく板金屋さんに見積もってもらったのに車を買い換えないといけないの?お義母さん気に入って乗っているのに。買い換えるにしても探す手間は大変です。しかもこの車と同じような程度の良い車が見つかるという補償はありません。

 年式の古い車に乗っていると言うことは、それなりの理由があって乗っているのです。修理費より、その車の時価や帳簿上の価値が安いからと言って全損扱いで、即買い換えというのは何か納得がいきません。 しかも高々21万円の修理費が「高い」とされるわけですから。「何のための対物保険だ」と言いたくなります。

 実は私も全損扱いにされた事故を経験しています。赤信号信号無視の軽トラックに横からドカン。お互いに怪我はなかったのですがの4ドア軽乗用車の左側面のドアが2枚ともベッコリへこんでしまいました。このときはちょうど車を買い換えようと思っていたので17万円をもらってあっさりとOKしました。

ところが後で悔やんだことが一つ。 当時アマチュア無線に凝っていた私は無線機やらカーステレオやらをしこたま積み込んでいてその設置作業は大変苦労しました。

 車を買い換えるに当たって「うんざりする作業を夏の暑い日に又やらなくてはならんのか?」と思うとつい面倒となって、いまだにその無線機やカーステレオはそのまま取り外したままです。結局その事故をきっかけにアマチュア無線から遠ざかってしまったわけです。プロに取付けてもらう工賃を請求しておけば良かったと悔しい思いをしました。

 それから全損事故では「査定金額が低くその金額では同じ車が買えない」など悪い情報が次々入ってきます。でもひょっとすると修理費自体が安いので保険屋さんが修理代を出してくれるかもしれません。

 数日後に加害者側の保険会社である「損保ジャパン」の担当者から電話あり。「年式が古いので7、8万円しか補償できない」と言う。

 「車が乗れる様になるまでの登録費用や廃車費用などが補償されるべきだ」と言うが、「そういう費用は支払ったことがない」と女性の担当者は言います。

 ぶつけられたあげく、修理費用は時価より高いので修理費用は全額出せない。補償できるのは車両の時価に見合った8万円だけ。全く「ふん!ボロ車の補償などせんでええは!」と言うように聞こえてしまいます。

  「なぜこちらが全く過失もないの元の状態に戻すのにお金を払わなければならないのだ?」「それでは損害の補償にならない」と言うが、車両本体の価格しか補償できないとの一点張り。賠償の定義論を訴えるが全く話がかみ合わない。

  「義母が気に入っている車なので修理して使いたい。修理屋さんに安く修理してもらうつもりなので15万円で手を打っても良い」と言ったがそれもだめ。

 こちらは良心的に代車も請求していないのにと言うと。代車はレンタカーを用意しますのでどうぞという。

不思議である。レンタカー代金を出すとすぐに諸費用の金額以上になってしまうのに。

頭に来るから「少しでも保険会社の経費を使ってやろう」と思って一時はレンタカーの使用も考えたが、現在使っていない車を代車代わりに使っているのと、おとなげないので思いとどまった。

 結局,NPO交通事故110番のホームページをプリントアウトして損保ジャパンにFAXし、諸費用の件はようやく納得してもらった。

 そして現実的な被害車両の時価を探るためと諸費用算出のためホームページを検索。追突された車両(アルト Epo P2 3ドア オートマ)と同程度の中古車(平成3年 走行6万キロ)がちょうど我が家からさほど遠くない神奈川県の中古車屋さんに売りに出ているのを発見、ここから見積もりを取ることにしました。

 見積書には
車両本体価格        8万円
検査登録手続き代行費用 4万5000円
下取り車諸手続代行費用 3万円
品川陸自持ち込み費用   2万5000円
以上が消費税対象額

消費税がかからない費用として
検査登録費             5000円
自賠責費用          1万0290円
合計税込みで       20万4290円!
となっていました。

買うとなったら結構かかるものですね!

うかつにOKしていたら大赤字になるところでした。

 これを見ると自賠責保険は現在の保険が継承できるので当然補償の対象外になります。

それ以外に保険会社からどのような値切りが来るのか楽しみです。見積書は中古屋さんから損保ジャパンにダイレクトにFAX。結果が楽しみです。

 ところが意外にも自賠責保険を除き全額OKの回答が。あの電話での交渉はいったい何だったのだ!?見積書をFAXするとこうもあっさり諸経費が認められるのか?

保険会社の担当者に「今まで経費を補償したことは本当にないのか?」尋ねると苦しそうに以下の回答がありました。

「事故の損害の立証責任は被害者側にある」ので「保険会社の方からは車両本体価格を提示させて頂いている」とのことです。でもそうであれば始めにそのことを言ってくれれば良かったのにと思います。

 損害の立証責任は被害者側にあるのですね。加害者側が立証すれば加害者側に有利に立証しようとしますからね。「踏まれた足の痛みは足を踏まれた当人しか判らない」のです。

 保険会社はこの立証責任が被害者にあることを逆手にとって、有利に事を運ぼうとしているのです。

 皆さんもうお気づきですね。
 事故にあったら保険会社の回答を待つのでは無くて徹底的に被害の実態又は被害を補償する費用を見積もればよいわけです。そしてそれを保険会社にぶつければよいわけです。

私も中古屋さんからの見積書を保険会社に送ってからはすぐにOKがでました。 あとこれらの登録を自分自身で行なっても、業者が行なう登録料と同額の金額を請求することが出来るそうです。保険会社の担当者は業者が行なわないと補償されない様なそぶりを見せていましたが、他の保険会社の担当者に尋ねると、自分でやっても補償されると言っていました。

「乗れる状態にする補償が本来の物損補償である」と言う「物損事故原状回復理論」を損保ジャパンの担当者は全く知らなかったのか?それとも知っていて、すっとぼけていたのかそれは今持って疑問である。

 保険会社の言い分を鵜呑みにしてしまうと年式の古い車に乗っていると、ぶつけられ損になってしまいます。経済的全損かどうかの判定基準があまりにも甘く、年式が少しでも古くなってしまうとすべて経済的全損になってしまいます。このままだと板金屋さんも無料の見積もりばかりで肝心の板金修理の仕事は入ってこなくなってしまいます。

 NPO交通事故110番のホームページでさえ、「車両修理費が時価を上回る場合経済的全損になる」としています。

ところがこの判断基準は間違っていると思います。

 車両修理費を時価とを単純に比較するのではなく、修理費と比較するのは時価に廃車費用と登録諸費用を加えた合計金額であるべきです。そうすれば、安易に経済的全損になることはないと思います。車の修理屋さんにも仕事が入ります。環境問題の観点からも車を簡単に廃車にすべきではないと思います。

 義母のぶつけられた車もどういう訳か結局修理して中古車として売り出されるようである。本来修理するより廃車にする方が経済的なはずだが、変な保険制度である。  

 

あとがき

 実はその後、優先道路の住宅街を走っていた息子の軽乗用車が一旦停止違反のベンツに側面から衝突されました。相手方の保険会社であるアメリカンホームダイレクトは経済的全損としていて、またもや保険屋さんの全損攻撃を受けています。 そんなに高額な修理代(27万円)だとは思えないのですが、年式が古い(時価は20万円)ので経済的全損だそうです。

NPO交通事故110番のホームページを再度訪れたとこっろ、「経済的全損かどうかは、修理費と車両時価額+買換諸費用+車検残存費用+解体・抹消登録費用等を比較、修理費が著しく上回っている場合を経済的全損とする」と言う平成14年9月の東京地裁判決を例に挙げて、買換諸費用等を勘案して判断すべきとしています。

あれ、私の表現がいつの間にか間違ってしまっていますね。
「交通事故110番さん」すみません。

そこで罪滅ぼしのために、NPO交通事故110番では「全損キット」というのを販売していて、必要な経費項目を埋めていくだけで全損時の損害額の積算が簡単にできるキットを発売していることを、お知らせしておきます。

しかしまあ保険会社はこのような明確な判決がでているにもかかわらず、「車両時価額のみしか補償しない」とよく言い切りますね。判例の遵守精神が全くありませんねえ。

 

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